健康維持のためにウォーキングを始めようとすると、気になるのが「1日に何歩くらい歩けばよいのか」という点です。10,000歩という数字を聞くこともありますが、必ずしも全員が毎日10,000歩を達成しなければならないわけではありません。
30代・40代を含む成人では、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が一つの参考になります。歩数だけではなく、運動の強度や座っている時間、筋力トレーニングなども組み合わせて考えることが大切です。
30代・40代男性の歩数は1日8,000歩以上が一つの目安
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人について、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨しており、これは1日約8,000歩以上に相当するとされています。[参照]
そのため、特別な事情のない30代・40代の成人男性が健康づくりを目的に歩数目標を設定するなら、まずは1日8,000歩前後を一つのわかりやすい基準として考えられます。
ただし、8,000歩は「8,000歩未満では意味がない」という境界線ではありません。厚生労働省も、個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組み、今より少しでも多く身体を動かすという考え方を示しています。
現在の歩数が少ないなら、いきなり8,000歩を目指さなくてもよい
普段3,000~4,000歩程度しか歩いていない人が、突然毎日8,000歩や10,000歩を目標にすると、時間的にも身体的にも負担が大きくなり、長続きしないことがあります。
例えば普段の平均が4,000歩なら、最初は5,000歩程度を目標にしても構いません。慣れてきたら6,000歩、7,000歩というように増やしていけば、生活習慣に取り入れやすくなります。
厚生労働省の資料でも、現在の身体活動量が少ない人ほど、今よりわずかに活動量を増やすことでも健康増進効果を得やすいとされています。つまり、完璧な歩数を達成することより、現在より身体活動を増やすことが重要です。
8,000歩はウォーキングだけで達成する必要はない
「1日8,000歩」と聞くと、仕事が終わってから8,000歩分のウォーキングをしなければならないと思うかもしれません。しかし、歩数計やスマートフォンに表示される歩数には、通勤や買い物、職場内の移動など日常生活で歩いた分も含まれます。
例えば通勤や仕事で5,500歩歩いている人なら、帰宅後に不足する2,500歩程度を追加するという考え方ができます。昼休みに少し遠い店まで歩く、駅で一駅分歩く、エレベーターではなく階段を利用するといった方法でも活動量を増やせます。
また、健康づくりでは歩数だけを見るのではなく、掃除、買い物、自転車移動などを含めた日常の身体活動も重要です。歩数は身体活動量を把握しやすくするための便利な指標の一つと考えるとよいでしょう。
歩数だけでなく「少し息が弾む運動」も取り入れる
健康づくりを目的とするなら、単純に歩数だけを増やすより、運動の強度にも目を向けるとよいでしょう。厚生労働省では成人に対して、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上行うことも推奨しています。[参照]
例えば1週間に5日運動するなら、1日あたり10~15分程度の速歩を普段のウォーキングに加える方法があります。普通に歩く区間と少し速く歩く区間を組み合わせれば、運動習慣のない人でも取り入れやすくなります。
一方、最初から速度や距離を上げすぎる必要はありません。体力、体重、膝や腰の状態などによって適切な運動量は異なるため、疲労や痛みが続く場合には量を減らすことも必要です。
30代・40代では筋トレと座りっぱなし対策も重要
健康対策を「毎日何歩歩いたか」だけで終わらせないこともポイントです。厚生労働省のガイドでは、成人について筋力トレーニングを週2~3日行うことも推奨しています。
本格的なジム通いでなくても、自宅でスクワットや腕立て伏せなどを行う方法があります。ウォーキングは有酸素性の身体活動として取り入れやすい一方、筋力維持という観点では筋トレを組み合わせるメリットがあります。
さらに、デスクワークの多い30代・40代では座りっぱなしにも注意したいところです。厚生労働省は、座位行動の時間が長くなりすぎないよう注意することを推奨しており、例えば30分ごとに座りっぱなしを中断する方法も紹介しています。
1日の歩数目標を生活スタイル別に考える
同じ30代・40代でも、デスクワーク中心の人と立ち仕事の人では普段の歩数が大きく異なります。そのため、年齢と性別だけで全員に同じ歩数を当てはめるのではなく、現在の生活に合わせて目標を設定するのが現実的です。
| 現在の状況 | 目標の考え方 |
|---|---|
| 普段3,000~4,000歩程度 | まず現在より1,000歩程度増やすことから始める |
| 5,000~7,000歩程度 | 8,000歩前後を目標に少しずつ増やす |
| 8,000歩以上歩いている | 歩数だけでなく速歩や筋トレも意識する |
| デスクワークが長い | 歩数に加えて座りっぱなしをこまめに中断する |
例えば在宅勤務で1日2,500歩程度になっているなら、朝と夕方に15~20分程度散歩するだけでも活動量を増やせます。一方、営業や接客業などで仕事中に十分歩いている場合には、無理に追加の長距離ウォーキングをするより、筋トレなど別の運動を取り入れる方法もあります。
10,000歩を毎日歩かないと健康になれないわけではない
歩数目標として「1日10,000歩」は有名ですが、健康維持のために必ず10,000歩以上歩かなければならないという意味ではありません。厚生労働省が成人向けに示している現在の目安は約8,000歩以上です。
また、8,000歩を達成できない日があったからといって、それまでの運動が無意味になるわけでもありません。身体活動量が少ない人については、今より少しでも身体を動かすことが疾病の発症リスクや死亡リスクの低下につながるとされています。
数字を達成すること自体を目的にするより、「エレベーターを階段にする」「昼休みに10分歩く」「休日に散歩する」など、継続できる行動を積み重ねる方が現実的です。
まとめ:30代・40代男性なら1日約8,000歩を一つの目安に
30代・40代を含む成人の健康づくりでは、厚生労働省のガイドにある1日約8,000歩以上が歩数を考える際の一つの目安になります。ただし、体力や健康状態、現在の活動量には個人差があるため、8,000歩という数字だけにこだわる必要はありません。
現在あまり歩いていない場合には、まず今より少し多く歩くところから始めることが大切です。さらに、週60分以上を目安とした息が弾む程度の運動、週2~3日の筋力トレーニング、座りっぱなしを減らす工夫も組み合わせると、歩数だけに偏らない健康づくりにつながります。
持病がある場合や、歩行時に胸の痛み、強い息切れ、膝・腰などの痛みが生じる場合は、無理に歩数を増やさず、医師などの専門家に相談したうえで自分に合った運動量を決めることが重要です。

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