二重埋没法を受けたあと、目やに・異物感・充血などが続き、眼科で診察を受けたところ「まぶたの裏側から糸が見えている」と指摘されるケースがあります。埋没法は切開法と比較すると身体への負担が小さい施術として知られていますが、医療行為である以上、術後にトラブルが生じる可能性を完全になくすことはできません。
特に注意したいのは、糸が眼球側に露出している疑いがある状態を、二重の見た目だけを理由に放置しないことです。目の症状がある場合には美容上の問題とは分けて考え、まず眼科的な安全性を確認することが重要です。
この記事では、埋没法後に糸が見つかった場合に考えられる問題、4点留めと抜糸料金の関係、クリニックへ確認する事項、返金・補償を求めたい場合の進め方について整理します。
埋没法のあとに糸がまぶたの裏から見えることはある?
埋没法では、医療用の糸をまぶたに通して二重のラインを形成します。術式には複数の種類があり、糸を通す位置、固定方法、結び目の位置などもクリニックや施術方法によって異なります。
術後にまぶたの裏側から糸が露出したり、糸や結び目が組織を刺激したりすると、異物感、目やに、充血、痛みなどにつながる可能性があります。ただし、目やにが出ているからといって必ず埋没糸が原因とは限らず、結膜炎など別の原因も考えられます。
そのため、「埋没法をしたから美容外科だけに相談すればよい」と決めつけないことが大切です。目やにや眼球への刺激が続く場合は、眼科で角膜・結膜などの状態を診てもらったうえで、施術した美容外科にも状況を伝えるのが現実的です。
糸が露出していると言われたら何を優先すべき?
美容面では二重のラインが取れることが気になるかもしれませんが、眼球側への糸の露出を指摘されている場合は、二重を維持することよりも目の安全を優先して判断する必要があります。
自己判断で糸を触ったり、引っ張ったりするのは避けてください。また、市販の目薬だけで長期間様子を見るのではなく、診察した眼科医や施術した医師に今後の処置について確認します。
強い目の痛み、急激な充血、まぶしさ、見え方の異常などが生じている場合は、予約日まで待つのではなく、早めに眼科へ相談するのが安全です。
4点留めなら抜糸料金も必ず4か所分になる?
ここは誤解しやすいポイントです。「4点留め」という名称だけから、抜糸料金が単純に「1か所の料金×4」になるとは断定できません。埋没法にはさまざまな術式があり、「点」の数と使用されている糸の本数、結び目の数、抜糸する箇所の数が必ず同じとは限らないためです。
さらに、クリニックによって「1点」「1本」「1か所」「片目」など料金の数え方が異なる場合があります。例えば「抜糸1か所8,000円」と説明されたとしても、その「1か所」が何を意味するのかを確認しないまま総額を計算するのは避けたほうがよいでしょう。
確認するときは、「今回の術式では糸を何本使用しているのか」「露出しているのはどの糸なのか」「何か所を抜糸する必要があるのか」「麻酔を含めた総額はいくらなのか」を分けて質問すると明確になります。
費用確認では総額を文書でもらう
電話だけで金額を聞くと、後から「1か所あたりの説明だった」「片目の料金だった」といった認識の食い違いが起こることがあります。可能であればメールや問い合わせフォームなどを利用し、今回必要とされている処置と総額を文書で確認しておくと安心です。
また、通常の自己都合による抜糸と、術後トラブルへの対応として行う抜糸で料金の扱いが同じなのかも重要な確認事項です。
施術から短期間でも抜糸料金を払う必要がある?
施術後わずかな期間でトラブルが起きた場合、「高額な施術代を払ったのだから無料で対応してほしい」と感じるのは自然ですが、無料対応になるかどうかは施術契約、保証制度、症状の原因、クリニック側の判断などによって異なります。
まず契約時にもらった契約書、同意書、保証内容、料金表、術後説明書などを確認してください。「一定期間内の再施術・抜糸」「合併症発生時の診察・処置」について規定されていることがあります。
一方で、契約書に有料と書いてあるから必ずそれで問題がない、あるいは短期間で症状が出たから必ず返金される、と一律に判断することもできません。医学的な原因と契約上・法律上の責任は別々に整理する必要があります。
クリニックへ相談するときに準備しておきたいもの
感情的なやり取りだけになってしまうと、後から経緯を確認するのが難しくなります。まず事実関係を時系列で整理しておくことが重要です。
- 施術日
- 施術名・術式名
- 支払った金額と領収書
- 契約書・同意書・保証書
- 目やにや異物感などが始まった時期
- 眼科を受診した日
- 眼科で説明された内容
- 美容外科へ連絡した日時と回答内容
- 提示された抜糸費用・麻酔費用
例えば「○月○日に4点留めの埋没法を受け、○月○日ごろから目やにが続き、○月○日に眼科でまぶたの裏側に糸が見えると説明された」という形にすると、第三者にも状況が伝わりやすくなります。
眼科で診断名や治療内容について説明を受けている場合には、その内容も正確に記録しておきましょう。必要に応じて診療明細書なども保管しておくと、後日の相談に役立ちます。
返金や賠償を求めたい場合はどうする?
施術結果に納得できない場合でも、高額だったことや短期間でトラブルが発生したことだけで、直ちに返金・損害賠償が認められるとは限りません。医療機関側にどのような責任があるのかは、実際の施術内容、説明内容、医学的経過、損害との因果関係など個別の事情によって判断されます。
まずはクリニックへ、なぜ糸が露出したと考えられるのか、抜糸が必要なのか、保証の対象にならない理由は何か、費用負担について再検討できないかを冷静に確認する方法があります。「怒れば無料になる」という種類の問題ではなく、記録と事実をもとに話し合うほうが解決につながりやすくなります。
契約や料金をめぐってクリニックとの話し合いで解決しない場合、消費者庁は美容医療を含む契約上の相談窓口として消費者ホットライン「188」を案内しています。最寄りの消費生活センター等につながります。[参照]
日本美容医療協会も、美容医療の返金や賠償など法律上の問題については、消費生活センター、弁護士会、法テラスなどへの相談を案内しています。[参照]
別の医師の意見を聞くという選択肢もある
施術したクリニックの説明に不安がある場合には、別の医療機関で医学的な意見を聞くことも選択肢です。特に眼球への影響が疑われる場合には、眼科での評価が重要になります。
美容医療そのものについて第三者的な情報を得たい場合、日本美容医療協会では適正認定医などが回答するオンライン公開相談室を設けており、「目・まぶた」のカテゴリーも用意されています。[参照]
ただし、医学的な相談窓口と、返金・損害賠償などを扱う法律・契約上の相談窓口は役割が異なります。「目をどう治療するか」と「費用を誰が負担するか」を分けて考えると整理しやすくなります。
まとめ:埋没法後に糸が見つかったら目の安全と記録を優先する
二重埋没法のあとに目やになどの症状が続き、まぶたの裏側から糸が見えていると指摘された場合は、美容上の仕上がりだけで判断せず、まず眼科的な安全性を確認することが大切です。露出した糸を自分で触ったり抜いたりすることは避けましょう。
また、「4点留めだから抜糸料金も必ず4倍」とは限りません。術式によって糸や結び目の構成が異なるため、何本・何か所を抜糸するのか、麻酔などを含めた総額はいくらなのかをクリニックへ具体的に確認する必要があります。
短期間でトラブルが生じた場合には、契約書・保証内容・眼科の診療記録・クリニックとのやり取りを保存しておきましょう。費用や返金について話し合いで解決できなければ消費生活センター等へ、法的責任や損害賠償まで検討する場合は弁護士などの専門家へ相談するという順序で進めると、感情論ではなく事実に基づいて問題を整理しやすくなります。


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