「舌回し」で人中は伸びる?フェイスライン改善・人中の長さへの影響を科学的に検証

マッサージ、整体

SNSでよく見る「舌回しマッサージでフェイスラインがスッキリ」「人中も短くなる」などの主張――本当に“人中(鼻と上唇の間の溝)の長さ”や“顔の骨格・構造”に変化を与えるのか。本記事では、現在の知見をもとに「舌回し・顔筋エクササイズ」の効果と限界を整理します。

舌回しとは何か?目的と理論

舌回し(ベロ回し・舌回し体操)は、口を閉じたまま舌を唇の内側あたりで回したり動かしたりして、口まわりの筋肉(舌筋・口輪筋など)を刺激する簡単なエクササイズです。フェイスラインのたるみ防止、むくみ緩和、口元の筋力維持などを目指す人に人気があります。[参照]

理論としては、舌や口まわりの筋肉を動かすことで筋力アップや血流改善が起き、老廃物の排出や皮膚のハリ改善、たるみ防止につながる――というものです。[参照]

顔筋エクササイズでわかっていること — 筋肉や皮膚への影響

実際、顔ヨガや口まわりのエクササイズは、口輪筋や頬の筋肉を鍛えて筋トーンを改善し、皮膚のたるみやほうれい線などの改善につながる可能性を示す研究があります。例えば、ある研究では頬やあご下の筋肉の断面積が増え、フェイスラインや下顔面の面積・ボリュームが減少(=引き締まり)したという報告もあります。[参照]

また、最近のレビュー研究では「顔の筋肉・皮膚のたるみやシワの改善に、表情筋トレーニングやマッサージはある程度有効」という報告も。ただし「効果の度合いや持続性」「個人差」が大きいため、“絶対に効く”とは断言できないことが注意点とされています。[参照]

「人中(鼻〜上唇間)が伸びる」の根拠はほとんどない

一方で、「舌回しなどで人中が伸びる/長くなる」という主張について、有力な科学的根拠は確認されていません。口まわりの筋肉を動かしたとしても、鼻と上唇の間の“骨格や皮膚の付着点(人中)”の構造が変わることは一般的には考えにくいためです。美容系の情報サイトも「舌回しで人中が伸びる可能性はほとんどない」と記しています。[参照]

また、専門機関によるレビューでは、「顔筋エクササイズであっても、骨格や歯並び、皮膚の構造的な長さを変えることはできない」とする見解が一般的です。[参照]

「やりすぎ」のリスク — 顎周り・筋肉への負担やバランスの崩れ

さらに、舌回しを頻繁かつ過度に行うことで、顎や口まわりの筋肉に不自然な緊張が続き、「エラが張る」「顔が四角く見える」「筋肉バランスが崩れる」といった逆効果を訴える人もいます。[参照]

また、肌に触れる頻度が増えることで、摩擦や刺激が肌トラブルを招く可能性もあるため、敏感肌の人は注意が必要です。[参照]

もしフェイスライン改善・人中の見た目を変えたいなら — 選択肢と現実的な考え方

  • 舌回しや顔ヨガなどで**表情筋を鍛え、むくみ予防・たるみ軽減**を狙う
  • 日常生活での**姿勢改善・顔の使い方・保湿・マッサージ**など、肌と筋肉のバランスを整える
  • 根本的に人中を“短縮”したい・見た目を大きく変えたい場合は、**医療的なアプローチ(美容外科や形成外科)**が現実的な選択肢

まとめ — 舌回しで顔は“やや引き締まる可能性”あるが、人中の長さには期待薄

舌回し・顔筋エクササイズには、口まわりやあご周辺の筋肉を鍛え、フェイスラインのたるみやむくみを和らげる可能性があります。ただし、それが“人中(鼻と上唇の間の溝)の長さ”を変えるような構造的変化を起こす科学的根拠はほとんどありません。

つまり、「フェイスラインの改善」を目的とした顔筋エクササイズとしては取り入れてもよいけれど、「人中を短く/形を変える」ことは過度に期待し過ぎないほうが現実的です。

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