「大食いだけど太らない人」や「少食なのに太りやすい人」がいるように、同じく太っている人でも「めちゃくちゃ食べるタイプ」と「少食なのに太るタイプ」が存在します。これは単なる食事量の違いではなく、体の代謝や脂肪の付き方の違いが関係しています。本記事では、そのメカニズムについて詳しく解説します。
1. 大食いデブと少食デブの体の違い
「大食いのデブ」と「少食のデブ」には、体の仕組みにいくつかの違いがあります。
1-1. 基礎代謝の違い
人間は何もしていなくてもエネルギーを消費する基礎代謝があります。基礎代謝が高い人は食べてもエネルギーを消費しやすく、低い人はエネルギーが蓄積されやすくなります。
- 大食いのデブ: 基礎代謝が高めで、食べた分もある程度燃焼される。ただし、それを上回る摂取カロリーがあるため太る。
- 少食のデブ: 基礎代謝が低いため、少しの食事でもエネルギーが消費されにくく、脂肪として蓄積されやすい。
1-2. 消化吸収能力の違い
腸の長さや消化酵素の働きが人によって異なるため、食べたものをどれくらい効率的に吸収できるかも違ってきます。
- 大食いのデブ: 食べたものの吸収効率が低めで、大量に食べても一部は消化されずに排出される。
- 少食のデブ: 少量の食事でも消化吸収率が高く、エネルギーを溜め込みやすい。
2. 脂肪の付き方の違い
脂肪のつき方には「皮下脂肪型」と「内臓脂肪型」の2種類があり、体質によって異なります。
2-1. 皮下脂肪型(洋ナシ型)
主に女性に多いタイプで、脂肪が皮膚の下に蓄積されるため、体全体がふっくらした体型になります。
- 少食のデブに多い
- エネルギーを溜め込みやすい体質
- 燃焼しにくいが健康リスクは比較的低い
2-2. 内臓脂肪型(リンゴ型)
主に男性に多く、内臓の周りに脂肪がつくことで、お腹がぽっこりと出る体型になります。
- 大食いのデブに多い
- 脂肪が燃焼しやすいが付きやすい
- 生活習慣病のリスクが高い
3. なぜ食べる量が違うのに同じように太るのか?
「大食いのデブ」と「少食のデブ」が共通して太るのは、単に食事量だけでなく、ホルモンバランスや遺伝の影響も関係しているためです。
3-1. インスリン感受性の違い
インスリンは血糖値を下げるホルモンで、脂肪の蓄積にも影響を与えます。
- 大食いのデブ: インスリンの働きが強すぎて、余分な糖が脂肪としてどんどん蓄積される。
- 少食のデブ: インスリン感受性が低く、少量の食事でもエネルギーを溜め込みやすい。
3-2. レプチンの影響
レプチンは食欲を抑えるホルモンですが、肥満の人はレプチンの効きが悪くなりやすく、満腹感を感じにくくなります。
- 大食いのデブ: レプチンの効果が低下し、満腹になりにくいため食べ続けてしまう。
- 少食のデブ: レプチンの働きは正常でも基礎代謝が低いため、少量の食事で太りやすい。
4. まとめ
「大食いのデブ」と「少食のデブ」は、基礎代謝・消化吸収能力・脂肪の付き方・ホルモンバランスなど、様々な要因で異なります。
- 大食いのデブは代謝が高めだが、それ以上に食べるため太る。
- 少食のデブは代謝が低く、少しの食事でも脂肪を溜め込みやすい。
- 脂肪の付き方は、内臓脂肪型(大食い)と皮下脂肪型(少食)で異なる。
- ホルモンや遺伝の影響もあり、単に食事量だけでは説明できない。
同じ「太っている」でも、そのメカニズムは人によって違うのです。
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